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【Seleniumとは?】初心者向けにできること・使い方をわかりやすく解説

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「Seleniumとは何か知りたい」「Web上の面倒な定型作業を自動化したい」と考えている方へ。Seleniumは、Webブラウザの操作をプログラムで自動化するための強力なオープンソースツールです。本記事では、Seleniumの基本的な概要から、Webテスト自動化やWebスクレイピングといった具体的な活用例、RPAとの違いまで、初心者向けに徹底解説。さらに、環境構築からPythonを使ったサンプルコードによる基本的な使い方、メリット・デメリットも紹介します。この記事を読めば、Seleniumの全体像を理解し、ブラウザ自動化の第一歩を踏み出すことができます。

目次

Seleniumとは Webブラウザを自動操作するツール

Selenium(セレニウム)とは、Webブラウザ上で行う操作を自動化するためのフレームワークです。本来はWebアプリケーションが正しく動作するかを確認する「テストの自動化」のために開発されましたが、その強力な機能から、現在ではWebサイトからの情報収集(Webスクレイピング)や、ブラウザ上での定型作業の自動化など、多岐にわたる目的で世界中の開発者やテスターに利用されています。

例えば、「特定のWebサイトにログインし、検索ボックスにキーワードを入力して検索ボタンをクリックし、表示された結果を取得する」といった一連の人間による手作業を、プログラムコードによってそっくりそのまま自動実行させることが可能です。

Seleniumの読み方と概要

Seleniumは「セレニウム」と読みます。このツールは単一のソフトウェアではなく、複数のツールやライブラリから構成されるツール群の総称です。プログラミング言語を使ってブラウザを動かすための「WebDriver」という仕組みを中核としており、開発者はPython、Java、C#といった得意な言語で自動化の指示(スクリプト)を記述できます。

ユーザーがブラウザを操作するのと同様に、要素のクリック、フォームへのテキスト入力、ページの移動、表示されているテキストの取得など、ブラウザ上で行えるほとんどの操作をプログラムで制御できるのが大きな特徴です。

無料で利用できるオープンソース

Seleniumは、オープンソースソフトウェア(OSS)として提供されています。これは、ソフトウェアの設計図にあたるソースコードが公開されており、誰でも自由に利用、改変、再配布できることを意味します。そのため、ライセンス費用は一切かからず、個人での学習目的から企業での商用利用まで、完全に無料で利用することができます。世界中のコミュニティによって開発・維持されているため、常に進化を続けており、最新のブラウザ環境にも迅速に対応しています。

SeleniumとRPAツールの違い

「作業を自動化する」という点で、SeleniumはRPA(Robotic Process Automation)ツールと比較されることがあります。しかし、両者には目的や得意な領域に明確な違いがあります。どちらが優れているというわけではなく、自動化したい内容に応じて適切なツールを選択することが重要です。

主な違いを以下の表にまとめました。

比較項目SeleniumRPAツール
主な目的Webアプリケーションのテスト自動化、Webスクレイピング業務プロセス全体の自動化
操作対象Webブラウザに特化PC上のあらゆるアプリケーション(Excel、メールソフト、独自システムなど)
プログラミング知識必須(Python, Javaなど)原則不要(GUI操作でシナリオを作成)
コスト無料(オープンソース)有料の製品が多い
柔軟性・拡張性非常に高い。複雑な処理もコードで記述可能製品の機能範囲に依存するが、比較的容易に導入できる

簡単に言うと、Seleniumは「Webブラウザの自動化に特化した、プログラマー向けの強力な無料ツール」、RPAは「プログラミング知識がなくても使える、PC業務全般を自動化するためのツール(多くは有償)」と理解するとよいでしょう。

Seleniumでできること具体例

Seleniumは、Webブラウザをプログラムで自動操作するための強力なツールです。その用途は多岐にわたりますが、主に「テスト自動化」「Webスクレイピング」「定型作業の自動化」の3つの分野で活用されています。ここでは、Seleniumで具体的にどのようなことができるのかを、例を挙げてわかりやすく解説します。

Webアプリケーションのテスト自動化

Seleniumが最も広く利用されているのが、Webアプリケーションのテスト自動化です。WebサイトやWebサービスが正しく動作するかどうかを確認する工程を「テスト」と呼びますが、このテストを手作業で行うと、時間もコストもかかり、人為的なミスも発生しやすくなります。Seleniumを使えば、これらのテストシナリオを自動化し、開発の効率と品質を大幅に向上させることができます。

特に、機能追加や修正のたびに既存の機能が壊れていないかを確認する「回帰テスト(リグレッションテスト)」では、Seleniumによる自動化が絶大な効果を発揮します。一度テストコードを作成すれば、何度でも同じテストを正確かつ高速に実行できるためです。

テストの例具体的な操作内容
ログイン・ログアウト機能のテストIDとパスワードを自動入力してログインボタンをクリックし、正常にログインできること、またログアウトボタンで正しくログアウトできることを確認します。
フォーム入力のテストお問い合わせフォームや会員登録フォームに、正常なデータや意図的に間違ったデータを入力し、期待通りの画面に遷移するか、あるいは適切なエラーメッセージが表示されるかを確認します。
E2E(End to End)テストユーザーの一連の操作(例:商品を検索→カートに追加→購入手続き→完了画面表示)を最初から最後まで通しで実行し、全体の流れが問題なく機能することを確認します。
UI(ユーザーインターフェース)のテストボタンやリンクをクリックした際に、意図したページへ正しく遷移するか、表示されるべき要素がすべて表示されているかなどを確認します。

Webサイトからの情報収集(Webスクレイピング)

Webスクレイピングとは、Webサイトから特定の情報を自動で抽出し、収集することです。Seleniumは、このWebスクレイピングを行うためのツールとしても非常に優れています。

近年、多くのWebサイトではJavaScriptが使用されており、ページを開いた後で動的にコンテンツが読み込まれる(例:「もっと見る」ボタンをクリックすると新たな情報が表示される)ケースが増えています。Seleniumは実際にブラウザを操作するため、こうしたJavaScriptによって生成されるコンテンツもしっかりと取得できるのが大きな強みです。

収集したデータは、市場調査、競合分析、価格比較、研究など、さまざまな目的で活用できます。

  • ECサイトから特定商品の価格、在庫状況、レビューを定期的に収集し、価格変動を分析する。
  • 不動産情報サイトから、指定したエリアや条件に合致する物件情報を自動でリストアップする。
  • ニュースサイトやブログから、特定のキーワードを含む記事のタイトルとURLを収集する。
  • 求人サイトから自社の希望条件に合う新着の求人情報を収集する。

ただし、Webスクレイピングを行う際は、対象サイトの利用規約(Terms of Service)を必ず確認し、著作権法などの法律を遵守する必要があります。また、サーバーに過度な負荷をかけないよう、アクセス間隔を空けるなどの配慮が不可欠です。

ブラウザの定型作業の自動化

テストや専門的な情報収集だけでなく、日常的に行っているブラウザ上の単純な繰り返し作業も、Seleniumで自動化できます。これにより、面倒な手作業から解放され、業務の効率化を図ることが可能です。

「毎日同じサイトにログインしてレポートをダウンロードする」「Excelのリストにある情報をWebフォームにひたすら転記する」といった作業は、Seleniumに任せることで時間短縮と入力ミス削減につながります。いわゆるRPA(Robotic Process Automation)ツールが得意とする領域の一部を、プログラミングの知識があれば無料で実現できるのがSeleniumの魅力です。

自動化する作業具体的な操作内容
定期的なデータ確認毎日決まった時間に勤怠管理システムや売上管理システムに自動でログインし、必要な情報を確認・取得します。
Webフォームへのデータ入力CSVファイルやExcelにまとめられた顧客リストや商品リストを読み込み、Web上の管理画面に自動で一括登録します。
ファイルのダウンロード特定のWebサイトから、日次レポートや請求書などのファイルを定期的に自動でダウンロードし、指定のフォルダに保存します。
SNSの操作特定のアカウントの投稿を定期的にチェックしたり、情報収集を行ったりします。ただし、自動投稿などは各SNSの利用規約で禁止されている場合が多いため注意が必要です。

Seleniumの仕組み WebDriverの役割

SeleniumがどのようにしてWebブラウザを自動で操作しているのか、その中心的な役割を担っているのが「WebDriver」です。WebDriverは、私たちが書いたプログラムコード(指示)を、各ブラウザが理解できる命令に翻訳してくれる「通訳」のような存在だと考えると分かりやすいでしょう。

プログラムから送られた「このボタンをクリックして」という指示を、WebDriverが受け取ります。そして、その指示をChromeやFirefoxといった各ブラウザ専用の形式に変換し、ブラウザに伝達します。ブラウザはその命令を受けて実際にボタンをクリックし、その結果をWebDriver経由でプログラムに返します。この一連の通信により、コードによるブラウザ操作が実現されています。

重要なのは、ブラウザごとに専用のWebDriverが必要になる点です。例えば、Google Chromeを操作するには「ChromeDriver」が、Mozilla Firefoxを操作するには「GeckoDriver」が必要となります。このように、操作したいブラウザに対応したWebDriverを用意することで、Seleniumは様々なブラウザを自動で動かすことができるのです。

Seleniumを構成する主要なツール群

Seleniumは単一のソフトウェアではなく、目的や用途に応じて使い分けることができる複数のツールで構成されたプロジェクトです。これらを総称して「Seleniumスイート(Suite)」と呼ぶこともあります。主要なツールとして「Selenium WebDriver」「Selenium IDE」「Selenium Grid」の3つがあり、それぞれに異なる特徴があります。以下の表で各ツールの概要を比較してみましょう。

ツール名主な用途必要なスキル特徴
Selenium WebDriver柔軟で複雑なブラウザ操作の自動化プログラミング知識主要なプログラミング言語に対応し、詳細なテストシナリオを実装可能。
Selenium IDE簡単なテストの作成と実行、操作の記録プログラミング知識は不要ブラウザ拡張機能として提供され、操作を記録・再生するだけで手軽に利用できる。
Selenium Grid複数環境でのテストの並列実行Selenium WebDriverの知識テスト時間を大幅に短縮でき、クロスブラウザテストを効率化する。

ここからは、それぞれのツールについてさらに詳しく解説していきます。

Selenium WebDriver

Selenium WebDriverは、現在のSeleniumプロジェクトの中核をなすツールです。プログラミング言語を使って、より柔軟かつ強力にブラウザを自動操作するためのライブラリ(API群)を提供します。Python、Java、C#、Ruby、JavaScriptなど、多くの人気プログラミング言語に対応しているため、開発者は得意な言語でテストコードや自動化スクリプトを作成できます。

条件分岐やループ、外部データとの連携といった複雑なロジックを組み込めるため、単純な画面操作だけでなく、ログイン情報の入力から商品購入までの一連の流れをテストするなど、高度なテストシナリオの自動化に適しています。本格的なテスト自動化やWebスクレイピングを行う場合、このSelenium WebDriverを利用するのが一般的です。本記事の後半で紹介する使い方も、このWebDriverをベースにしたものです。

Selenium IDE

Selenium IDE(Integrated Development Environment)は、ブラウザの拡張機能として提供されるツールで、プログラミングの知識がなくても手軽にブラウザ操作の自動化を試すことができます。最大の特徴は「記録と再生(レコード&プレイバック)」機能です。ユーザーがブラウザ上で行った操作(ページのクリック、フォームへの入力など)を自動で記録し、それを同じ手順で何度でも再生できます。

「この画面のこの部分が正しく表示されるか」といった簡単なテストケースの作成や、繰り返し行う単純作業の自動化に非常に便利です。まずは自動化がどのようなものか体験してみたいという初心者の方にとって、最適な入門ツールと言えるでしょう。ただし、複雑な条件分岐やエラーハンドリングには向いていないため、本格的な開発にはWebDriverとの併用や移行が推奨されます。

Selenium Grid

Selenium Gridは、テストの実行効率を飛躍的に向上させるためのツールです。複数のマシンやOS、多種多様なブラウザバージョンで、テストを「同時に」「並列で」実行する環境を構築できます。例えば、100個のテストケースを1台のマシンで順番に実行すると100分かかるところを、10台のマシンで並列実行すれば約10分に短縮できる、といったイメージです。

この仕組みは、司令塔の役割を果たす「ハブ(Hub)」と、実際にブラウザを動かしてテストを実行する「ノード(Node)」で構成されています。開発者はハブに対してテスト実行を指示するだけで、Gridが自動的に空いているノードに処理を割り振り、並列実行してくれます。これにより、開発サイクルの高速化に欠かせないクロスブラウザテスト(様々なブラウザで表示や動作に問題がないか確認するテスト)を効率的に行うことが可能になります。

Seleniumを利用するメリットとデメリット

Seleniumは非常に強力なツールですが、導入を検討する際にはそのメリットとデメリットの両方を正しく理解しておくことが重要です。ここでは、Seleniumの主な長所と短所を具体的に解説し、どのようなケースで活用するのが最適か判断するための材料を提供します。

まずは、メリットとデメリットの要点を比較表で確認してみましょう。

観点メリット(長所)デメリット(短所)
コストオープンソースのため完全無料で利用可能学習コストや環境構築・保守にかかる人件費が発生
柔軟性と拡張性多様な言語・ブラウザに対応し、複雑な処理も実装可能プログラミングスキルが必須で、初心者にはハードルが高い
メンテナンスコミュニティが活発で情報が豊富ブラウザやWebDriverの更新に自力で追従する必要がある

Seleniumの3つのメリット

Seleniumを導入することで、主に以下の3つの大きなメリットを享受できます。

メリット1:無料で利用できるオープンソース

Seleniumはオープンソースソフトウェア(OSS)であり、すべての機能を無料で利用できます。商用のテスト自動化ツールやRPAツールの中には高額なライセンス費用が必要なものもありますが、Seleniumは初期費用やランニングコストをかけずに導入できるのが最大の魅力です。個人での学習からスタートアップ、大企業のプロジェクトまで、コストを気にせず利用できるため、テスト自動化や業務効率化の第一歩として非常に導入しやすいツールと言えます。

メリット2:多くのプログラミング言語とブラウザに対応

Seleniumは特定のプログラミング言語やブラウザに依存しません。Java、Python、C#、Ruby、JavaScript(Node.js)など、多くの主要なプログラミング言語に対応しています。そのため、開発者は自身の得意な言語やプロジェクトで採用されている言語を使ってテストコードを記述できます。また、Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edge、Safariといったモダンブラウザのほとんどをサポートしており、クロスブラウザテストを容易に実現できる点も大きな強みです。この高い柔軟性により、既存の開発環境やスキルセットを最大限に活かすことができます。

メリット3:プログラミングによる高い拡張性

Selenium WebDriverは、プログラミング言語を用いてブラウザを操作するため、非常に高い拡張性を持ちます。単純な画面遷移やクリック操作だけでなく、条件分岐(if文)や繰り返し(for文)を組み合わせることで、複雑なテストシナリオを自由に構築できます。例えば、「ログイン状態によって表示が変わる要素をテストする」「CSVファイルから読み込んだ複数のデータを順番にフォームへ入力する」といった動的な操作も可能です。GUIベースのツールでは実現が難しい、細やかで複雑な自動化処理を実装できる点は、Seleniumならではのメリットです。

Seleniumの2つのデメリットと注意点

多くのメリットがある一方で、Seleniumにはいくつかのデメリットも存在します。導入後に後悔しないよう、以下の注意点を事前に把握しておきましょう。

デメリット1:プログラミングの知識と学習コストが必要

Seleniumを使いこなすには、何らかのプログラミング言語の知識が必須です。Selenium IDEのような録画・再生ツールもありますが、本格的なテスト自動化を行うにはコードの記述が欠かせません。そのため、プログラミング未経験者にとっては学習コストが高く、導入のハードルとなります。また、要素がうまく取得できない場合のエラー解析やデバッグにも、HTML/CSSやブラウザの開発者ツールに関する知識が求められます。手軽に始められるRPAツールと比較すると、習熟までに時間がかかる点はデメリットと言えるでしょう。

デメリット2:実行環境のメンテナンスが必要

Seleniumは、操作対象のブラウザと「WebDriver」と呼ばれるコンポーネントのバージョンを一致させる必要があります。ブラウザは自動でバージョンアップされることが多いため、それに合わせてWebDriverも定期的に更新しなければ、作成した自動化スクリプトが突然動かなくなることがあります。このバージョン管理と環境のメンテナンスは、運用上の負担となる可能性があります。特にチームで開発する場合、全員の実行環境を揃えるためのルール作りや仕組み化が重要になります。

初心者向け Seleniumの基本的な使い方

この章では、Seleniumをこれから使い始める初心者の方に向けて、実際の使い方を3つのステップに分けて解説します。プログラミング言語には、Web自動化の分野で最も人気があり、情報も豊富なPythonを使用します。サンプルコードを交えながら、ブラウザを自動で動かす基本的な流れを体験してみましょう。

ステップ1 実行環境の準備

Seleniumを利用するには、まずPythonの実行環境を準備する必要があります。すでにPythonがインストールされている場合は、このステップをスキップして問題ありません。

Pythonは公式サイトから無料でダウンロードできます。インストーラーを実行する際は、「Add Python to PATH」や「Add Python X.X to PATH」といったチェックボックスに必ずチェックを入れてください。ここにチェックを入れることで、コマンドプロンプトやターミナルからPythonを簡単に実行できるようになります。

インストールが完了したら、コマンドプロンプト(Windows)またはターミナル(Mac)を開き、以下のコマンドを実行してバージョン情報が表示されるか確認しましょう。

環境によってはpython3 --versionと入力する必要があります。バージョン番号が表示されれば、Pythonの準備は完了です。

ステップ2 SeleniumとWebDriverのインストール

次に、Selenium本体と、ブラウザを操作するために必要なWebDriverをインストールします。ここでの手順が、Seleniumを動かすための重要な鍵となります。

まず、Pythonのパッケージ管理ツールである「pip」を使ってSeleniumライブラリをインストールします。コマンドプロンプトやターミナルで以下のコマンドを実行してください。

次に、WebDriverを準備します。WebDriverは、Seleniumの命令を各ブラウザ(Chrome, Firefoxなど)が理解できる形に翻訳してくれる「橋渡し役」のソフトウェアです。

以前は、使用するブラウザのバージョンを正確に確認し、それに合ったWebDriverを公式サイトから手動でダウンロードして配置する必要がありました。しかし、Selenium バージョン4.6.0以降では「Selenium Manager」という便利な機能が統合され、対応するWebDriverが自動でダウンロード・設定されるようになりました。そのため、基本的にはSeleniumライブラリをインストールするだけで準備が整います。

もし何らかの理由で自動設定が機能しない場合や、特定のバージョンのWebDriverを手動で指定したい場合は、Google Chromeであれば「ChromeDriver」、Firefoxであれば「GeckoDriver」の公式サイトから、お使いのブラウザバージョンに合ったものをダウンロードし、プロジェクトフォルダなどに配置してください。

ステップ3 サンプルコードでブラウザを操作する

環境が整ったところで、いよいよPythonのコードを書いてSeleniumを動かしてみましょう。ここでは、基本的な3つの操作「ページを開く」「テキストを入力する」「クリックする」を試します。

ブラウザを起動してページを開く

まずは最も基本的な、ブラウザを起動して指定したWebページを開くコードです。以下のサンプルコードを「sample.py」などのファイル名で保存して実行してみてください。

このコードを実行すると、自動でChromeブラウザが立ち上がり、Googleのトップページが表示され、3秒後にブラウザが閉じます。driver.quit()は、ブラウザを完全に終了させるための重要な命令です。

要素を指定してテキストを入力する

次に、Webページ上の特定の要素、例えば検索ボックスなどを指定して、そこに文字を入力する操作です。要素を特定するためには、HTMLのid属性やname属性などを手がかりにします。

以下のコードは、Googleの検索ボックスに「Seleniumとは」と入力する例です。

driver.find_element()メソッドで操作したい要素を特定し、send_keys()メソッドでテキストを送信しています。By.NAMEの部分は、要素を特定する方法(ロケータ)を指定するもので、他にも様々な方法があります。

ロケータ (By.*)説明
IDHTMLのid属性で指定します。ページ内で一意であるため、最も確実な方法の一つです。
NAMEHTMLのname属性で指定します。フォームの入力欄などでよく使われます。
CLASS_NAMEHTMLのclass属性で指定します。複数の要素が同じクラス名を持つことがあります。
TAG_NAMEp, div, aなどのHTMLタグ名で指定します。
CSS_SELECTORCSSセレクタ記法で要素を柔軟に指定できます。複雑な要素の特定に便利です。
XPATHXML Path Languageの記法で要素を指定します。最も強力で柔軟な方法ですが、少し複雑です。

要素をクリックして画面を遷移する

最後に、検索ボタンなどをクリックして画面を遷移させる操作です。要素の特定方法はテキスト入力の時と同じで、特定した要素に対してclick()メソッドを実行します。

以下のコードは、テキスト入力後に検索ボタンをクリックするまでの一連の流れです。

このコードを実行すると、ブラウザが起動し、自動で「Seleniumとは」と検索して結果ページを表示します。ここまでが、Seleniumを使ったブラウザ自動操作の最も基本的な流れです。これらの操作を組み合わせることで、様々な定型作業を自動化することが可能になります。

Seleniumが対応するプログラミング言語とブラウザ

Seleniumは特定のプログラミング言語やブラウザに縛られず、幅広い環境で利用できるのが大きな特長です。ここでは、Seleniumが公式にサポートしている言語とブラウザを紹介します。

対応プログラミング言語

Seleniumは、多くの主要なプログラミング言語で利用するための公式ライブラリ(バインディング)を提供しています。これにより、開発者は自身の得意な言語やプロジェクトの要件に合わせてSeleniumを導入できます。

  • Python
  • Java
  • C#
  • Ruby
  • JavaScript (Node.js)
  • Kotlin

特にPythonとJavaはコミュニティが大きく、インターネット上でサンプルコードや技術情報を探しやすいというメリットがあります。初心者がこれから学ぶ場合は、文法がシンプルで分かりやすいPythonから始めるのがおすすめです。

対応ブラウザ

Seleniumは、主要なモダンブラウザのほとんどに対応しています。各ブラウザ専用のWebDriverを介することで、同じコードで異なるブラウザを操作することも可能です。

  • Google Chrome (ChromeDriverを使用)
  • Mozilla Firefox (GeckoDriverを使用)
  • Microsoft Edge (EdgeDriverを使用)
  • Apple Safari (SafariDriverを使用)

Safariについては、macOSに標準で組み込まれているSafariDriverを利用します。これにより、Windows、macOS、Linuxといった異なるOS上で、複数のブラウザを対象としたテストや作業の自動化が実現できます。

Seleniumが対応するプログラミング言語とブラウザ

Seleniumの大きな強みは、特定のプログラミング言語やブラウザに依存しない「クロスプラットフォーム」「クロスブラウザ」対応である点です。これにより、開発者は自身の得意な言語や、テスト対象のシステム環境に合わせて、柔軟に自動化環境を構築できます。ここでは、Seleniumが公式にサポートしている主要なプログラミング言語とブラウザについて詳しく解説します。

対応プログラミング言語

Seleniumは、各プログラミング言語からブラウザを操作するための「言語バインディング(Language Bindings)」と呼ばれるライブラリを提供しています。これにより、JavaやPythonなど、様々な人気のプログラミング言語でテストコードを記述することが可能です。公式にサポートされている主な言語は以下の通りです。

プログラミング言語特徴と主な用途
Java大規模なエンタープライズシステムの開発で広く採用されており、Seleniumとの親和性も非常に高いです。豊富なライブラリとフレームワークが利用できます。
Pythonシンプルで読みやすい文法が特徴で、初心者からプロまで幅広く支持されています。Webスクレイピングやデータ分析、機械学習分野での利用も多く、Seleniumと組み合わせる定番の言語です。
C#Microsoftが開発した言語で、Windowsアプリケーションや.NETフレームワークでの開発に強みを持ちます。Visual Studioとの連携により、効率的な開発が可能です。
Ruby日本で開発された言語で、Webアプリケーションフレームワーク「Ruby on Rails」で有名です。直感的で柔軟なコーディングができます。
JavaScriptWebブラウザ上で動作する唯一の標準言語であり、Node.jsの登場によりサーバーサイドでも利用が拡大しています。フロントエンドのテストと親和性が高いです。
KotlinJava仮想マシン(JVM)上で動作し、Javaとの100%の互換性を持つ言語です。Androidアプリの公式開発言語でもあり、近年人気が高まっています。

これらの言語バインディングは、Seleniumの公式サイトからダウンロードできます。プロジェクトの要件やチームの技術スタックに応じて、最適な言語を選択してください。

対応ブラウザ

Seleniumは、ブラウザベンダーが提供する「WebDriver」というコンポーネントを介して、様々なWebブラウザを操作します。これにより、主要なモダンブラウザのほとんどでテストを実行できます。対応している主なブラウザと、それぞれに対応するWebDriverは以下の通りです。

ブラウザ対応するWebDriver補足
Google ChromeChromeDriver世界で最も利用されているブラウザです。WebDriverのアップデートも頻繁に行われます。
Mozilla FirefoxGeckoDriverオープンソースのブラウザで、開発者ツールも充実しています。
Microsoft EdgeEdgeDriverChromiumベースに移行して以降、Chromeと同様の感覚で利用できます。
SafariSafariDrivermacOSに標準搭載されているブラウザです。macOS High Sierra以降ではOSに同梱されています。
Internet ExplorerIEDriverServerMicrosoftによるサポートは終了していますが、レガシーシステムの保守・テスト目的で利用されることがあります。

WebDriverは、操作対象のブラウザのバージョンと互換性のあるものを選択してインストールする必要があります。例えば、Chromeのバージョンが115であれば、ChromeDriverもバージョン115に対応したものを使用します。バージョンが異なると正しく動作しない原因となるため、環境を構築する際は注意が必要です。

まとめ

本記事では、Webブラウザを自動操作するツール「Selenium」について、その概要から具体的な使い方まで解説しました。Seleniumは、Webアプリケーションのテスト自動化やWebスクレイピングなどを実現する、無料で利用できる強力なオープンソースのフレームワークです。多くのプログラミング言語やブラウザに対応しているため、非常に柔軟性が高い点が大きなメリットです。一方で、利用にはプログラミング知識が求められますが、この記事で紹介した基本的な使い方を参考にすれば、簡単なブラウザ操作の自動化から始めることができます。ぜひ、日々の定型作業の効率化に役立ててみてください。

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この記事を書いた人

未経験からITエンジニアを目指す皆さんが迷わず一歩を踏み出せるよう、学習のコツや転職・就職のポイント、成功体験など、役立つHINT情報をわかりやすくお届けしています。難しい専門用語も丁寧に解説し、読者の“やってみたい”を後押し。IT業界の最新情報もキャッチしながら、皆さんのエンジニアへの挑戦を一緒に歩む身近なパートナーとしてサポートします。

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